自然派ワインの真実 その1

今回はソムリエ通信でも自然派について取り上げていたので、私も2回に渡り、私見も含めて、現実を知っていただこうかなと厳しめに書きます。

自然派ワインでは有機栽培において有機肥料を使います。
「有機肥料だから健康にいい?」実際はNOです。
仮に牛のたい肥を使用した場合、そういう窒素肥料を植物に与えると、植物は硝酸態窒素を消費しきれず、組織内に残留する可能性があり、これが人間の体の中で、タンパク質とアミノ酸が結合してニトロソアミンという発がん物質を作り出すと言われています。

「自然派ワインだから頭痛は起きない?」これもNOです。
自然酵母で発酵させ酸化防止剤を使用しないとしましょう、この場合沸きつく乳酸菌の菌種が特定できず、ヒスタミンという頭痛の原因となる物質を生成してくる菌種があるのです。つまり自然派ワインでも頭痛の原因物質を含んでいるワインが多いに存在しているのです。

「有機栽培では農薬を使っていない?」これもNOです。
一部認められている薬剤があります。有機栽培で使用が認められている銅を含むボルドー液はカビの病害に効力があり、有機栽培の生産者は防カビ剤の替わりに多量に使用します。このボルドー液は土壌に蓄積される銅の量をも増加させていると言います。もちろん銅には毒性がありますよね。

醸造では、野生酵母を使ったり、SO2やその他の添加物が使用されていない場合、酸化や微生物など様々なリスクが高くなり、そのワインを人は体内に入れるわけです。これって怖くないですか?それでも自然派を頑なに良いといえるのでしょうか。ここまで科学的根拠があるのにそれでも妄信するとなるともはや狂気の沙汰ですね。

“自然派”、“ビオ”、はっきり言っておきましょう。知識のない人ほど単語に反応するのです。実際の詳細には目を向けず、その単語に思い込みを足してインプットしてしまうんです。その印象は誰が真実を言っても覆らないのです、覆したくないのです。なぜなら今までの自分を肯定したいからなんです。自分は間違っていたなんて思いたくないのでしょう。だって「自然派」って書いてあるじゃないと。「自然派」って体に良いんでしょうと。添加物入ってないし頭痛くならないんでしょと。妄信ですそれは。

私は「自然派ワイン」とメニューに書いたり、うちは自然派ワインでやっているんですという店を基本信用していません。自然派ワイン推しの店にワインに造詣の深い人いたためしがないんです。ワインに偏った見方をしていない方は、わざわざ自然派推しにはなりません。
「良い響き」だけで陶酔するような教養のない人間にはなりたくないもんです。そうならない為に必要なことは、正しい知識を本から自分で得ることです。