ワインの心理実験

ワインを使った面白い心理実験がある。実験は、同じワインを同じグラスに入れ、別々の値段をつけ、愛好家に飲み比べてもらうというもの。ひとつには10ドル、もうひとつには90ドルという値札を付けました。
すると、高い値札を付けたほうのワインの満足度が断然高かったのです。

値段が違うだけで、味も違うように感じてしまう結果に。これは、「ヴェブレン効果」が働くから。つまり、商品の価格が高ければ、それを手に入れることに特別な消費意識や欲求が働く効果をいい、希少価値があって高ければ高いほど、優越意識が高まり、満足度も意識下で高くなっているのです。

ブランド品がこれに当たります。ブランドは高いほど売れます。安いと特別感がなくなり、消費意欲を減退させてしまうのです。高いからこその優越感、満足感があり、見栄を張れるのです。ブランド品は価格が高いこと自体が商品の魅力であり、価値なのです。
私のワインバーで、値段を表記していないのはこうした先入観を無くすためです。シンプルに目の前のグラスに注がれた液体と向き合っていただくためなのです。