世界でいちばん素敵な 数学の教室 前編

この本で興味をもった箇所を抜粋し、2回にわたりご紹介。

「ゼロの発見」
ゼロの概念は人類最大の発見のひとつです。5世紀頃のインドで扱われるようになりました。古代エジプトには4000年も前から高度な文明があり、古代ギリシャでも高度な数字の発達もあったのに「ゼロ=無」という概念はなかったのです。

「マイナスの発見」
マイナスが考え出されたのは、7世紀のインド(2世紀の中国にも記録は残っている)。このマイナスというものは、ヨーロッパでは、数学の専門家にさえ、受け入れがたい概念だったようです。デカルトですら負の解を、「偽の解」と呼んでいたほど。

「素数ゼミ」
アメリカには、素数である13年または17年周期で大量発生する素数ゼミ(周期ゼミ)が生息しています。素数ゼミは、生存競争に生き残るため、13と17を選んだとされています。3年周期で発生する天敵(セミの捕食者)に対して、12年周期のセミは生まれるたびにこれと戦う必要がありますが、13年周期のセミがこの天敵と出会うのは39年に1回なので、生存競争において有利です。

「完全数」
その数以外の約数を足すと、その数になる数のこと。一番小さい完全数は6で、次が28。現在51個が判明しています。28年前のカレンダーは月日と曜日が一致するので、そのまま使うことができます。つまり、1994年のカレンダーを持っていれば、2022年のカレンダーを新たに購入する必要はありません。これは、4年に1度のうるう年を7回またぐ(4×7)ためです。

「蜂の巣」
なぜ蜂の巣が六角形なのかというと、少ない材料で、強固な小部屋を隙間なく並べられるから。平面を隙間なく埋める図形のうち、周の長さが最も短く、材料がすくなくて済むのが正六角形なのです。なぜ六角形の構造が強固なのかというと、外からの力を分散させるから。なのでゴールネットや、防音、断熱、飛行機の翼や建物の構造材にも使われている。

「ベンフォードの法則」
すべての数値は0~9の組み合わせです。当然、数値の先頭には0をのぞいた9つの数字が置かれます。それぞれの数字が置かれる確率は、9分の1(約11%)ではありません。最頻出は「1」で、約30%を占めます。これをベンフォードの法則といいます。