あまり読んだことのないタイプの本を読んでみた。
「人は人との関係性で成長する。そのためには、自己理解と他者理解が必要とされる」というテーマ。それを“5つの因子”で構成された自分の強みを元に、物事や人間関係をどう円滑に構築していくかとう分野の本。
ただこの内容だけだと全く面白くもないが、「宇宙兄弟」のシーンを例に語られているので凄く理解できて面白い。
誰にでも周りにこういう人いるよなぁの連続やし、日常や仕事でのトラブルや人間関係のギクシャクの場面なんか誰しも共感できることだらけだ。変わり者、はみ出し者、冷たい人、無骨で寡黙な人、うわべだけの軽い人等々、付き合いにくい人ばっかりの世の中なんは現実も漫画も同じ。
主人公のムッタも、優秀な弟がいて劣等感ばかりで自信なく悩んでばかりのウジウジした人物だったが、そんな人物でも自分の強みがあり、特性を活かしチームに貢献するリーダーへと成長するストーリーに共感を抱いた人も多いのではないでしょうか。
この本では、「同質ばかりではなく異質のメンバーを近くに置いている人こそが、優れたリーダーなのです。いわば猛獣使いこそが最強といえる。」といったことが書かれており、解説として、異質の相手をそばに置き、サポートできる力こそリーダーとして必要な資質。と書かれている。5つの因子で同質な者同士だと確かに居心地が良くていいのだが、より良い成果を出すには異質のメンバーで構成されている方が結果が出るのが現実だ。
そして日本人のメンタリティーと外国人との違いなども書いてある。言葉にしなくてもあうんの呼吸、暗黙の了解、相手を想えばこそわかるという性質の日本人。言葉で伝えないと主張することがないと判断する諸外国。画像にもあるが日本人とアメリカ人の5つの因子の違いたるや歴然で、そらそもそも価値観も何もかも違うわなぁと納得。
しかし、結果や成果を出すのが全て強烈な個性でガンガン引っ張っていくタイプのリーダーではないとこの本には書いてある。宇宙兄弟の主人公のムッタのような典型的な日本人タイプの者でもリーダーとしての資質があり、強みの出し方の違いだけなのである。
名場面の解説と共に読んだが、画像にもあるように改めて宇宙兄弟に登場する人物たちがいかに色んなキャラクターを持っていたかがわかる。宇宙兄弟の名場面と共にそれぞれのキャラクターの想いも知れるし、自分だったらどうするかなども知れる良い本だった。