4月にバイクを買った↑
中古でいいかなと思い、10万円で届けてくれるジモティー的な所から買った。
もちろんバイク屋に置いてあるものだ。バイクの走行状態や装備の状態は確認済みとされ、少しカウルにヒビが入っているという程度の状態なので購入。
しかし、届いてすぐの状態からエンジンオイルが無かった、まぁそれはいいとしよう。信号待ちでストンとエンジンが切れたり、切れるだけでなくかからないことも多々あり、押して帰らなければいけないこともあった!さすがにおかしいと確認を入れるため、買ったところに電話するが出ない、折り返さない、無視・・。ほぅ・・そうですか・・。
直さないと危ないので近くの昔からやっているバイク屋にかけこんだ。状態を説明したが、なんとヤマハ製なのだが海外仕様のモデルで直す部品が日本に無く、何もできないとのこと。そしてバイク通販でよくあるらしいのだが、店に中古として置いたっきりでメンテナンスもせずに売れるまでほったらかし状態、そして苦情出るといけないので、メンテナンスしたと偽り、“現状渡し”という、渡したらもう関与せずという売り方がこれにあたるとのこと。
10万円で買ったが壊れているだけでなく、直すこともできない・・無常。
呆然としながらも、しかし、通勤手段として必要なため、いつエンジンが切れるかわからない状態で乗らなければいけないが、とりあえず家へ帰ろうとしていて、ヘルメットのシールドに結構傷が入っていたので、買って帰ろうとしたら、そこのバイク屋の社長が「貸してみ、付け替えたる」といって付け替えてくれた。その社長は店にたまに出てはいるが修理などには携わらず実質現場を離れたようだ。
実は学生時代の20年以上前、このバイク屋でバイクを買ったり修理してもらったりもしていた。そのころおっちゃん年齢だったその社長はいつもバイクの修理をしていたり常に現場にいて、オイル交換など行く度にぶっきらぼうながら、いろいろバイクの状態を語ってくれたものだ。その頃を知っているだけに、「歳とったな・・お互いに」と心の中でノスタルジーになっていた。
そして、「通販なんかで買ったんか!?あかんでそんなん、バイクなんか実際に見て触って話し聞いて買わなあかん。金さえ貰えばええやってとこも多い。でもうちは、誰が乗ってたかわからんバイクなんか扱わん。全部うちで買って売りに来た人のバイクしか中古で出さん、でないと誰がどんな乗り方してどんな状態で、どうメンテナンスすればいいかなんかわからんがな。うちの中古が他よりも少し高い金額なんは、全てのパーツを開けて分解して調べて確認し、全部ネジとかも新しいのに替えて、必要な部分を全てメンテナンスするからや。よそはそんなんしてへんで。自信ある。」と言われた。
これが現場を若手に任せて一線を退いてる人の言葉か・・20年以上前と変わってない姿勢に“すごい”とか陳腐な言葉では表せないくらい深い感動があった。
その社長にしたら当たり前のことがいかに珍しくなっていることか、そしてそれがどんだけ大切なことか。命を乗せるバイク、わからないからいいやとか、こっちは調べるわけでも詳しくもないから手抜きなんかいくらでもできる世界、でもずっと変わらずぶれない仕事の姿勢に生き様を感じた。
武骨で愛想もないおっちゃん、でも昔から一貫して変わらない仕事への真摯な姿に心の中で拍手を送っていた。
そして、その後この店で新しいバイクを買った。↓