大塚美術館

最終日は愛媛からひたすら東へ車を走らせ徳島の大塚美術館へ。ここまで広い美術館はなかなかないんじゃないですかねぇ!絵画のスケールだけでなく、空間も再現されているのが凄い。時間があれば1日かけてガイドを聴きながら巡るのもいいんじゃないでしょうか。

ここからは、身障者を持つ家族の視点から語ろうと思います。子供が車椅子生活の場合。どこに行くにしろ身障者への設備や対応を確認してから行動することになります。歩ける方は何も感じないのでしょうが、少しの段差や車の停車位置、屋根の有無、動線など多くのポイントがあり、そこを考慮されていない施設はすぐにわかります。

大塚美術館・・最高でした。まず車椅子用の駐車場を聞いて、案内されたところで、子供2人ともバギーで移動とわかると、関係者用の裏口に誘導され、トラックが停まれるくらいのスペースに駐車されてくれました。この一連の流れもインカムでスムーズに連携されていたし、何より心遣いを感じたのが、駐車する際に案内していただいた方の姿です。車止めてからも子供2人をバギーに乗せたり準備するのに時間がかかるんですが、その間一切こっちを振り向かず、手を後ろに組み、肩幅に足を開いてじっと前を向いて待っておられた女性の立ち姿にプロフェッショナルを感じました。焦らせない、気を使わせないその姿勢に感動しました。
注視することが良い接客ではないのです、目を向けないことがここでは最高の接客なのです。僕は館内の美術品よりここが一番感銘を受けました。そして丁寧な施設の案内をしてもらい持ち場に戻られましたが、見事でした。

そして一つも段差がない館内も素晴らしかった~!高低差がある箇所には必ずスロープで行けるようになっており、エレベーターからの動線も計算されており回りやすかったし、車椅子用のトイレも充実していました。良い最終日になりましたとさ。

余談ですが、以前オーストラリアから日本に帰ってくる時に青色のロゴの航空会社だったのですが、娘が身障者用のバギーで移動とわかると、CAさんが「着きましたら飛行機を出た所にバギーをご用意しておくので荷物受取の所まで抱っこしなくていいようにしておきますね」と満面の笑みで言って下さり、用意されていなかった経験があるので、口だけのパフォーマンスは身障者を家族に持つ人には通じないんですよね。そんな経験を山ほどしているので、良い対応とは実のない言葉ではないのです。