言語隠ぺい効果

ソムリエがワインを表現するときに、「森の下草」、「なめし革」、はたまた「濡れた子犬の香り」、など一般的になんやそらって表現をしている時がある。
こうした表現がピンとこない理由は、「言語隠ぺい効果」が働いているからである。

これは、色や香り、味など言葉に表現しにくいものを、あえて言葉に置き換えると、その記憶が歪んでしまう現象のこと。なので、ワイン以外でも色や香り、味などの特徴を細かく言葉にしてしまうとこの効果が働いて記憶が歪むため、食レポなどで、下手に細かく言葉にしてる人のは伝わらず、彦摩呂さんのように「〇〇の宝石箱や~」と全体像を表現するほうが、はるかに想像しやすく伝わってくるからくりなんです。

こうしたことも含めて、私は店で、首をかしげるようなテイスティング用語や、難しい言葉は使いませんしワインをああだこうだ言うこともないのです。講釈など一切ないし、このワインはこうだ的なことも全く言いません。グラスワインのリストには、国と品種と一言のみ記載しています。この一言はSNSには載せていないので、来られた方のみ知っていることになります。
過去の一言を挙げてみると、「ふれっしゅ!」、「おごそか~♪」、「飲み頃熟成野郎」、「ワイルドマッチョ」、などなど、ゆるい表現の一言を添えています。それが良いのか悪いのかは聞いたことないのですが、気に入らん人は・・知らん。