いやいや凄い展開になってきましたねぇ。地動説の真理に迫って来ると同時に迫って来る拷問官。たとえ真実だとしてもそれがまかり通る社会じゃない世界に生きているのはどんな感じだろう。正しいとしてもそれが異端思想とされるなら表現も発表もできないわけで、“コペルニクス”も“ガリレオ”もその苦悩たるや凄かったんだろうなぁ。
4巻も印象的なセリフが多かったですねぇ。危険思想とされ拷問を受けてもなお研究を続ける司祭に別の司祭が「何故、そんな悲劇を味わったのに、学問とか研究とか、そういうことから離れないんですか?」と尋ねてきたた答えが、「神が人間に与えてくださった理性(かのうせい)を自ら放棄したくないからです。」と答え、それに続いて、「すでにこの世は非道徳的なことで溢れ返ってませんか?そういう世界を変える為に、何が必要だと思いますか?知、です。」の答えにしびれた。
そして、何話かの後、異端者を追い詰める拷問官は、「異端は手段を選ばない。悪魔と結託してこの世界を変えようとする。それを阻止する為に最も重要なもの、世界を今のままに保持する為に必要なものはなんだと思う?血、だ。」と答える。震えるね~!
タイトルの地動説のチ。は知。でもあり、血。でもある。作者の構成も見事だし、すごい作品だわ。