お客様から度々質問受けるので少しワインセミナーについてお話ししておきましょう。ワインセミナーの難しさの裏話をします。
私はセミナーのことを考えた時、「あのワインの時にあの話しをしよう」と思うことが多々あります。6月のセミナーでは、長年あっためていた大好きなエピソードがあり、ついに登場させれます。(すんごいオチがある!)。国や品種、ご用意するワインの産地や生産者などで伝えたい情報や話題が全然違うため、話したくてもここじゃないだろって場面が結構あるんですよね。なので6月に話す機会がやってきたエピソードも、扱うワインや産地があってこそのエピソードなんです。唐突ではなく、流れが大事なんです。
お客様からも「ワインセミナーてどんなことされているんですか?」とか、「ワインに関する知識を教えてくれるんですか?」とか質問を受けますが、私のセミナーに参加された方はおわかりの通り、知識の押し付けとかは一切していません。
ワインセミナーをするうえで一番難しいのは「知識」ではなく「構成」です。
私のワインセミナーではマイナーな品種や産地を扱ったりします。メジャーなワインに関しては誰でもセミナーできるかもしれません。それでも90分飽きさせずに構成するのは相当難しいはず。知っている知識を喋ったとて90分もたないでしょう。そこは、どんだけ経験のあるソムリエだろうが、どんだけ知識のあるワイン業界人だろうが関係ないのです。持っている時間を違和感なく使いこなせるのは、「場数」です。
人前でどんだけワインのことについて話してきたかという「経験」なのです。前職では毎週ワインセミナーをしていたので、そういった経験から、扱うワインを取り巻く話題を柔軟に絞り出せるかが大事なのです。4種類のワインを出すとして、一つのワインだけ話題豊富では意味がないのです。お客様は飲みながら聞いています。ペースもあります。あっという間に伝える情報が終わったら飲むの待ちで、スカスカの時間が訪れます。ですから4種類全てに違和感のない時間を作れるように“構成”する、これが一番難しいのです。
毎回ワインセミナーについての詳しい内容をSNSにあげないのは、お金と時間とカロリーを使って来ていただいた参加者への誠意です。セミナーを振り返って画像をたまに載せていますが、それはごく一部で大事な部分は載せないようにしています。そもそもパワーポイントは毎回60ページほど作成していますので。
一カ月何十時間も費やして心血を注ぎ資料を作成し、定休日を返上してやっているので、来ていただかない限り内容はお伝えはできません。