グーグル効果

私は、わからないことがある時には本で調べます。お客様からも「ワインセミナーの内容とかはどうやって作ってるんですか?」とか聞かれますが、ワインセミナーの資料も全て本のみから作っています。ネット検索からの情報は100%使いません。

単語や人名など思い出せないものを、すぐにスマホで調べる方がいます。それ自体は悪いことではないのですが、僕は一切しません。なぜかと言うと、人はグーグルなど検索結果の助けを借りて調べものの答えを導き出したことを、さも自分の力で思い出したかのように捉えてしまうのです。恐ろしいのは、そのネットで知った情報は忘れるのも早いという点です。

グーグルでなく自分自身の記憶力が良かったんだと錯覚してしまうことが科学誌の論文にも載っています。この何かわからないことがあると、すぐに検索サイトのグーグルを使って答えを見つけようとする心理を表す言葉、それが「グーグル効果」という心理学用語です。スマホですぐ検索している方、この前調べたことを思い出せますか?記憶できていますか?このグーグル効果に頼っている方は、「情報を記憶しよう」という衝動や欲求がどんどん弱くなっていく傾向にあるんです。記憶力の低下に抗うため、私は本を信じています。

私の好きな漫画「チ。」にも、文字の凄さが表されている、好きな箇所があります。「文字は、まるで奇跡ですよ。時間と場所を超越できる。200年前の情報に涙が流れることも、100年前の噂話で笑うこともある。私達の人生はどうしようもなく、この時代に閉じ込められている。だけど、文字を読む時だけは、かつていた偉人達が私に向かって口を開いてくれる。その一瞬、この世界から抜け出せる。文字になった思考は、この世に残って、ずっと未来の誰かを動かすことだってある。そんなの、まるで、奇跡じゃないですか」。
これですよこれ。