アマローネ

「アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ」
昨日飲んでいただいたボトルワインがこちら。

イタリア屈指の銘醸赤ワイン「アマローネ」。いや~さすが“味わうアート”と称される甘美でセクシーなワイン!改めて素晴らさを実感しました。産地は、ヴェネト州のロミオとジュリエットの舞台となったヴェローナ。
限られた生産者によって造られる少量生産の高級赤ワイン。品種は、コルヴィーナ主体でロンディネッラ&モリナーラのブレンド。

贅沢なワインとされる理由は・・醸造法にある。十分糖度が上がった良質のブドウだけを丁寧に選別し収穫する。そして、摘まれたブドウをスノコの上で約4ヶ月間も陰干しし、干しブドウのような状態にして糖度を上げる。水分が抜け、糖度が上がったブドウはゆっくり発酵していく。アマローネの魅力であるセクシーでまろやかな味わいは、この醸造法だから生み出されるのである。さらに熟成には2~6年を費やし、さらに瓶熟成も1~3年行う。こうして長期熟成により唯一無二のワインとなる。

メディチ家は、このアマローネに惚れ込み、遠く離れたフィレンツェにまでアマローネを取り寄せていたほど。アマローネの名前の由来には「神曲」で有名なダンテが関わっている。1353年にダンテの末裔がこの地(アルマロン)でブドウ畑を購入し、アマローネを造り始めた。そのアルマロンという地名が語源になった。

色は、黒みを帯びた深い赤紫色。
香りは、特有の強く甘い香り、ビターチョコ、コーヒー、シナモン、黒糖、濃縮したプルーンやチェリー、アーモンド、カカオ、エスプレッソ。何層にもなった香り。
味は、濃厚だが滑らか。濃縮感ある果実味にボリューム感がある、後から凝縮された渋味やアーモンドの薄皮、漢方薬のようなほろ苦みも伴う。デカンタージュして提供。香りも味わいも変化があり表情が変わるもの良い。

イタリアで最も滑らかでセクシーいわれるアマローネは「心も体も溶かしてしまう」と表現されるワイン。かつて、メディチ家や王侯貴族しか口にすることができなかった希少性の高い贅沢品ということがわかる味でございました。