ワインセミナーのパラドックス

ワインセミナーですが、予約が多くて10月の分は追加ですることにしました。9月もキャンセル待ちが多く、要望も多かったので結果追加で開催することにしました。
しかし「ワインセミナー人気なんですね?」では片付けられない問題があるのです。

ワインセミナーですが、ハッキリ言って大変です。
理由はというと、
①資料作成に3~4週間かかる(アイテム選考の時間は除外)。
②定休日に開催している。
③その日深い会話ができない。
④セミナーだけ興味を持たれる。

この④が非常に悩ませる問題なのです。セミナーの予約が埋まるのはありがたいのですが、セミナーのクオリティーが上がれば上がるほど、通常の営業に行きたいと思ってもらえないというパラドックスが巻き起こっているのです。

確かに工夫を凝らし飽きさせないように資料作成と話題作りをしています。そしてなかなかお目にかかれないワインも度々登場します。為になりつつ良いワインも飲め4,500円・・僕も参加したい。

「ワインセミナーはあくまでワインセミナーです」。

②のなぜ定休日に開催しているのかというと、“なによりも通常の営業を大事にしているからです”。たまに定休日の木曜日以外に開催したらいいじゃないですか?とか言われますが、ワイン飲みたい気分になられた方が寄ってくれたのに、セミナーしているので無理ですと追い返したくはありません。

「ワインセミナーはあくまでワインセミナーです」。

ワインセミナーでは何よりもワインに興味を持ってもらいたくてしています。難しいことも言わないし、専門用語も使いません。
ワインに興味を持ってもらい、「セミナーと同じ生産者の別ワインをグラスワインで出している」とか、「あの国のが良かったし別の品種も気になるからグラスで飲んでみよ」とか、「セミナーで言ってはった地域のや」とか、いろんなパターンで興味を持ってもらえるように、レクールで出している全ワインをバカ真面目に紹介しているのですが、なかなか伝わらないものです・・。

ですから、このワイン気になって飲みに来ましたって言っていただける方は本当に嬉しいですね。セミナーのワインはたしかに特別かもしれませんが、普段のグラスワインも一つ一つ何週間もかけて悩んで選んで入れています。セミナーのワインだけがワインの魅力を出しているわけではなく、普段のグラスワインも一つ一つに発見があり、ワイン観が広がっていくはずです。

そして何より、普段の営業とセミナーでは決定的に違うのが、会話できるということです。セミナーは時間も決まっているし、話すことも流れも決まっているので一人一人と深い話しはできません。セミナーの予約が入れば入るほど、憂鬱になるのはこのようなところがあるからかもしれません。

店側の特別な日とか、イベントだからで来ていただけるのはもちろん嬉しいのですが、お客様の何気ない日を特別な日にしたいと思って営業しているが本音です。おそらく多くの飲食店がそうだと思います。僕もそう想っていなければ、定休日にわざわざ休み返上でセミナーなんかせず、どこかの平日にセミナー予約入った分バンバンやっているはずです。その方が楽だから。

セミナーは好きですが、セミナーのために店をしているのではないのです。このような現状を考えると、12月まではセミナーのテーマを決めているので毎月開催しますが、来年からは不定期に開催しようとも思っています。(やりたいテーマはもう考えてあり2カ月ごとに開催するとしても2年分くらいは決めてある)