ネタバレあるよ。最近ハマっている漫画。天文の話しを題材にした珍しいストーリー。
15世紀のヨーロッパ、地球が全ての中心とみなされている思想の中、天動説に異を唱え、地動説が正しいのではないかと思う者が現れる。だが、教理に反することは危険思想とみなされ異端者として容赦なく拷問や火刑に処される社会で、どう証明していくのかという緊迫感ある展開。
地動説を信じた者一人一人が自らの命を犠牲に、次の者、そして次の者へと「知」を紡いでいく姿に熱くなる。生よりも地動説という真理に向かい死を選択する者の最後の表情の崇高さが多くを物語っている。拷問官に対し「敵は手強いですよ。相手は僕でも異端者でもなく、それは知性だ。」と言い、ある決断をする少年。その少年の想いが紡がれるのも10年後である。地動説という真理への果てしなく長い闘いを見届けねば。
こんな知性を題材にした漫画も珍しいので、宇宙や天文が好きな僕はハマってしまった。「不正解は無意味を意味しない」、「一生快適な自己否定に留まるか、全てを捨てて自己肯定に賭けて出るか、どちらを選ぶのも自由だ。」など、セリフも印象的だ。
しかもこの作者まだ23歳という!さぁ明日発売の第4巻が楽しみだ。
タイトルも「チ。」で、地動説の「地。」でもあるが、おそらく知性の「知。」でもあるのだろう。