ビルカール サルモン ブランドブラン

たまには、シャンパーニュの話もしよう。
私がお勧めするシャンパーニュに「ビルカール・サルモン」というメゾンがあります。
1818年創業の家族経営のシャンパーニュメゾンであり、設立以来7世代にわたり、フィネス、バランス、エレガンスを追求。この造り手のシャンパーニュを一言でいうと「人に媚びない」スタイル。

あるワインジャーナリストが取材でビルカール・サルモンを訪ねた時の話。約束の時間より早く着き、庭にある椅子に座って待っていると、ひとりの男性が現れた。「アントワーヌ・ローラン・ビルカールと約束があるのか?」。「そうです」。「10分待っていろ」。10分待つと、同じ男性が再び現れ、言った。「私がアントワーヌ・ローラン・ビルカールだ」。

この男性こそが7代目の現当主である。また、この男はハッキリと言う、「ロゼシャンパーニュに関してビルカール・サルモンは2位だ」と。この媚びない哲学を持つメゾンのシャンパーニュはやはりどこかで孤高。だがそれが潔くて憧れる。もちろん評価はとても高く、ロゼは地方屈指の評価を得ている。

しかし私がお勧めするのは特級畑のシャルドネだけで造られた「ブラン・ド・ブラン」である。鮮度と純度を大切にした硬質で鮮明な果実味、フィニッシュまで緩まない直線的な酸とミネラル。潔癖なほどの品質追求への姿勢に当主アントワーヌの強いパーソナリティを見ることができる。

そんなワインを次の土曜日に開けますよ~。