ついに開けました。この有り余る個性のシャンパーニュをフルートグラスでは受容はできないので、ブルゴーニュグラスなどフルートグラス以外でも提供。温度もやや高めの8℃くらいで香りの良さを強調しました。
泡は細かくムース状で、芳しい香りが広がる。リンゴの蜜、ブリオッシュやアーモンド、ハチミツトーストを思わせるデリケートなアロマが素晴らしい。力強い味わいの広がりと、爽快で優雅な後味を備えた複雑味が際立っていた。ただグランクリュのシャルドネを使っているから良いワインなのではなく、伝統を尊重しつつも、コールド・スタビライゼーション方式(冷却してクリーンな果汁を得る技術)、低温での長期熟成を行い、澱を攪拌させることで深みを表現するなど、新しい技術を積極的に導入していることが味わいに反映されているのは間違いない。
歴史と伝統に甘んじることなく、あくなき質の追求をしているメゾン、それが「ビルカール・サルモン」。それを実感できた。
輝くような硬質で鮮明な果実味、究極の純度を誇る酸と至高の鮮度を誇る風味。厚みのあるエネルギー、ナイフのような切れ味をもつ酸。独特のフィニッシュは繊細さを基調とし、端正な造りや気品に溢れた雰囲気は見事で、埋没しないほどの気品を感じる。
ビルカール・サルモンのワインには、すべて独特のフィニッシュがあり、最後まで決して緩まない。強力な統制の利いた構造、キリっと硬質で、味蕾に直接的に浸透するような、ヒヤッとした酸と、細身のミネラル。これは最も構造が大きい、メニル・シュール・オジェのブドウからもたらされるものかなと。
いや~素晴らしかった!もちろん、飲まれた皆様も、「普通のシャンパーニュじゃないですね!」とご満悦でした♪
”あれ”のせいで景気悪いし、気持ちもさっぱりしないので、半ば強引に自分を奮い立たせる思いで良いワインを開けましたが、やっぱりこういったワインもちょこちょこ開ける必要があるなと思いました♪